長年家族として時を過ごした愛犬を亡くした奥様。「明るく前向きな気持ちになりたい」と仰って、気分転換のためにガーデンリフォームをすることとなりました。今まで通路としてしか使われなかったテラスルーム前のスペースにタイル貼りのステージを設けて憩うことのできるスペースを創造しました。これによりテラスルームのサッシを開放すれば、タイル部分と床が繋がり、空間を広げることに成功しました。またテラスルームのサッシを開放することが前提であるため、目隠しフェンスを設置し、プライバシー確保にも気をつかいました。色目をホワイト系にしたことにより、狭小スペースでも圧迫感のない空間を実現しました。
さらには、アプローチ周辺の前庭との間にゲートフレームを設けて、プライベートガーデンとの区切り感を演出しました。これにより立体的な演出も加味され、奥行に深みがでました。アプローチも全体的にリフォームを施し、以前は直線であった動線をS字に湾曲させて奥行感を生み出しました。園路の両脇には植樹を行い、視線の先を適度に見え隠れさせることにより、さらなる奥行の深さを演出することができました。これの造園手法により、以前と比べて空間が広がったように思います。「もう犬は飼わない」と、奥様。そんな奥様にバラの栽培をお勧めしました。バラはとても手間が掛かりますが、愛犬のように世話が掛かるほうが愛しくなるからです。
1.天然石貼りのアプローチ。天然石ならではの色の変化が情緒を生み、表情豊なガーデンシーンとなりました。 2.木目調アルミ製のフェンス。隣地からの視線を遮り、プライベート感の確保を。日照があまり良くないため、クラッシクホワイトのカラーを選択し、明るさと広がり感がでました。 3.人工芝の庭から見た眺め。2色織り込まれた人工芝はリアルな質感。目砂を入れてより本物に近くなりました。もちろん芝刈りのお手入れは不要です。 4.アプローチ両脇の植栽帯。イギリス産の自然石(コッツウォルドストーン)を無造作に配置してナチュラル感を演出。石の隙間に植栽した草花が茂ると、より自然な雰囲気となるでしょう。 5.レンガの花台とハーブの寄植え。ハーブの香りでお客様をお出迎え。さらにはその芳香でネコよけに。 6.秋草の代表格、サルビア。パープルからピンクへのグラデーションが美しい。 7.アジサイ属のノムラウツギ。アジサイの仲間では花期が遅く、秋深くなっても花を楽しむことができます。ピンク色のかかったホワイトは、他の花色にも相性が良く、ボリュームのある花穂はゴージャスな雰囲気すらあります。
8.リフォーム前の全景。テラスルーム前は通路として使用。アプローチも直線で味気ない。お庭としては機能していない状態だった。 9.アプローチ途中のゲートフレーム。アプローチ周りの部分と、奥のプライベートガーデンとを曖昧に区切る。ゲートの立体構成が空間に広がりを持たせて立体感のある見え方となりました。さらにはゲートの前と後に植樹することにより奥行が強調され、空間を広げて見せることができました。