ご夫婦の新居

冬の終わりの。

2月とか、3月とか。

 

 

我が家に。

よく遊びに来てくれた、ご夫婦。

 

不便極まりない田舎の我が家に。

いつもいつも、

風のようにふらっと、遊びに来てくださって。

 

 

 

いつもいつも、

急に来られるもんだから、

たいした、もてなしも出来ずにいて、何となく恐縮する気持ちもあり。

 

とはいえ。

来られるなら来られるで、

せめて、ご連絡を頂ければいいんじゃないかというような、不満めいた気持ちもありつつ。

 

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そんな、ご夫婦。

春になって、山に帰られたというような噂を耳にしておりまして。

何となく、

ご夫婦のお姿を見れずに淋しい気持ちと同時に、

ご達者で暮らされてるのか、いささか心配する気持ちもあり。

 

春先の、遠くの山の新緑を眺めつつ。

遠くに行かれたご夫婦のことを想っておりました。

 

 

 

新緑まぶしい5月に入り。

庭先に目をやると。

おや???

 

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ウチの庭先に。

ご夫婦の、愛の巣が。

 

せめて。

せめて、家主の私に。

一言あってもいいのではなかろうかと思慮したりはしましたが。

ご夫婦の、愛の巣を作ってもらうのは、微塵の不満はないにしても。

家主の許可もなく、愛の巣を構えるご夫婦の奔放ぶりに、愛嬌を感じずにはいられず。

ご夫婦の子育てを見守りたいと思う、新緑の薫風を感じる季節です。