数日前に、和風のお庭を造らせさせていただきました。
最近では、珍しいんではないでしょうか。
これだけ軒の深い造りの住宅。
かの兼好法師は、徒然草でこういいます。
「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」
昔ながらの住宅は、全てにおいて、軒が深い家が多かったような気がします。
座敷があり、縁側があって、濡れ縁があって、そして庭につながる。
居住空間から、屋外の庭まで、繋がりがありました。
きっとそこには、涼を感じることのできる先人の知恵があったんだと思います。
しかしながら、
現在の住宅は、気密性が格段に向上し、空調冷房により快適な住空間ができました。
その技術進歩により、自然の力を借りて、涼を感じる必要性がなくなりました。
現在の住宅では、
屋内の住空間と、屋外の庭の部分が断絶してしまっています。
だからこそ、こういった住宅には、お庭を造る意義を感じてしまいます。
既存の、イロハモミジを移植し、石臼を再利用しての水場。
視覚効果で、涼を感じれる工夫です。
また、苔の築山は、ヒートアイランド現象の対策になるんではないかと思います。
苔は保水性が高いグランドカバーです。
気温が上がった日には、気化熱の冷却効果により、涼を感じることのできる機能があると思います。
ちょっと、イメージしてみてください。
夏の日の夕暮れ・・・・・・・・・・・、
庭に、打ち水をして、
風鈴の音を聞きながら、
この深い軒下でくつろぎながら、ビールを飲んだら最高だと思いませんか?
そんな想いで、造園しました。。。。。。。。
ビールがうまいっ。